バイク便とメッセンジャーはどっちが早い
■メッセンジャーって?
『メッセンジャー』という映画をご存知でしょうか。解散したSMAPの草なぎ剛が主演した映画で、草なぎ剛演じる主人公が就いていた職業が「自転車便(メッセンジャー)」です。
地方部ではあまり見かけませんが、都心部ではかなりの頻度でこのメッセンジャーを見かけます。
大手の宅配便業者も屋根付き自転車やリアカー付き自転車での配達行っていますが、この人たちと一緒にすると少しメッセンジャーがかわいそうです。
某自転車便業者によると、メッセンジャーは、
①注文受付から最速で15分以内に集荷を完了し、
②自転車便業者が指定するエリア内(例えば東京都内5区内)では、 集荷から最速で60分以内に配達を完了する。
とあります。
集荷から配達までの所要時間目安として、3kmで20分、6kmで30分、10kmで40分とありますから、信号待ちなどの時間を考えれば、かなり速いです。
■メッセンジャーは競輪選手?
過去に競輪の選手だった人、競輪選手としての収入はないが夢見て練習している人、過去に学校の「自転車部」だった人がメッセンジャーには多いようです。
メッセンジャーは街で見かけるとすぐに分かります。なにしろ、
- 猛スピードで走っている
- 黒っぽい、大きなリュックサックを背負っている(荷物を入れるバッグ)
- レース仕様の自転車使用
- レース仕様のヘルメット着用
- レース仕様のサングラス着用
- レース仕様のウエア着用
- どんなにスピードを出していても、辛そうな顔していない
- 夏場はかなり汗臭い
だから、「あ、この人はメッセンジャーだな」とすぐ分かります。
■バイク便とメッセンジャー、どっちが早い?
映画『メッセンジャー』の中で、主人公(メッセンジャー)はバイク便ライダーと配達時間を競い、勝利します。もちろんこれは、映画の中の話。実際には、バイク便とメッセンジャーはどちらが早いのでしょう。
道路交通法によると、自転車には法定最高速度の規制がなく、どれだけスピードを出していてもスピード違反には問われないのですが、道路の最高速度指定には従う必要があります。
つまり、最高速度60kmの道路であれば、バイクも自転車も時速60kmのスピードで走ることが可能です。
ただ、最高速度が60kmの道路を、ぴったり60kmで走るドライバーやライダーはいません。
10kmくらいは上乗せして走るでしょう。対して、メッセンジャーは、どんなに速い人でも時速70kmでは走れません。
上り坂がある場合、スピードが落ちます。単純にスピードだけを比べれば、バイク便の方が早いです。
また、高架道路や橋などは、自動車専用道路になっているところがあり、
バイクは通れますが自転車は通れません。こういった自動車専用道路が目的地までの間にある場合、
メッセンジャーは迂回する必要があります。
そう考えればバイク便に勝ち目があるようですが、メッセンジャーは裏技が使えます。
バイクが通れないような細い路地を走ったり、一方通行を逆走したりすることも可能です。
また(してはいけないことですが)、信号を無視しても、歩道を走っても、バイクほどには厳しく罪を問われません。
バイクはすり抜けが出来るとは言え、渋滞に捕まる可能性もありますが、メッセンジャーが渋滞に捕まることはほとんどありません。
■近距離ならメッセンジャー、遠距離ならバイク便
バイク便やメッセンジャーを利用している複数の会社に話を聞いたところ、「近距離ならメッセンジャー、遠距離ならバイク便が早い」との評価でした。
集荷地から目的地までの距離と経路を考え、バイク便を頼むか、メッセンジャーを頼むかを決めたほうが良さそうです。
ちなみに、配送料金は、バイク便よりもメッセンジャーのほうが安いです。